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建築士とは
家を建てるときには必ず「設計」を行わなければいけません。建築確認申請を、行政や指定機関に提出して、確認済書を受けなければなりません。そなためには、設計を行って、設計図書(図面一式と思ってください)を完成させないと、施工をすることができないからです。また、ほとんどの場合は行政に対して建築確認申請を行う必要がありますから、行政に提出するためにも図面を書く必要があるわけです。もちろん、規模によっては自分でやっても良い場合もありますが、例えそうであっても素人が施工に必要な図面一式を揃えることは至難の業です。そこでプロに依頼する必要になってくる、というわけです。また、現在では、確認申請も、省エネや換気や大変複雑になってきています。設計は建築士にしかできない?では一体「建築士」は何を行うことができる人なのでしょうか?なんとなく設計をする人、というイメージを持っている人もいるようです。最初に法的な用語の定義です。
建築士
「設計や工事監理を行うことができる免許を持っている人」ということになります。では、免許を持っていないと設計や工事監理を行ってはいけないのでしょうか?結論から言いますと、「できる場合もある」ということです。要は建築物の規模や構造によって、必要な免許のレベルが異なってくるという仕組みです。以下は各建築士が行ってもよい建築物の規模の一覧表です。自分が建てようと思っている家の規模や構造によって、依頼できる建築士の免許が異なります。この表によれば、免許を持たない人が行うことができる建築物の規模がかなり制限されるということがわかります。やはり設計や監理は免許を持ったプロの建築士に依頼する必要があるというわけです。なお、余談になりますが、俗によくいう「設計士」という言葉は誤りです。そのような言葉は法律の上でも一切存在しない俗語であり、正しくは「建築士」ですので、この際しっかりと知っておいてください。
建築基準法(用語の定義)
(1)第二条 用語の定義 | ||
十項 | 設計 | 建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第二条第五項に規定する設計をいう。 |
十一項 | 工事監理者 | 建築士法第二条第六項に規定する工事監理をする者をいう。 |
十二項 | 設計図書 | 建築物、その敷地又は第八十八条第一項、第二項若しくは第四項に規定する工作物に関する工事用の図面 (現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。 |
十三項 | 建築 | 建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。 |
十四項 | 大規模の修繕 | 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。 |
十五項 | 大規模の模様替 | 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。 |
十六項 | 建築主 | 建築物に関する工事の請負契約の註文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。 |
十七項 | 設計者 | その者の責任において、設計図書を作成した者をいう。 |
十八項 | 工事施工者 | 建築物、その敷地若しくは第八十八条第一項、第二項若しくは第四項に規定する工作物に関する工事の請負人 又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。 |
建築士法(定義)
第2条2項 3項 4項5項 6項 7項8項の規定 | |||
法第2条 | |||
1項 | この法律で | 「建築士」とは、 | 一級建築士、二級建築士及び木造建築士をいう。 |
2項 | 「一級建築士」とは、 | 国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう。 | |
3項 | 「二級建築士」とは、 | 都道府県知事の免許を受け、二級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう。 | |
4項 | 「木造建築士」とは、 | 都道府県知事の免許を受け、木造建築士の名称を用いて、木造の建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう。 | |
5項 | 「建築設備士」とは、 | 建築設備に関する知識及び技能につき国土交通大臣が定める資格を有する者をいう。 | |
6項 | 「設計図書」とは | 建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。) 及び仕様書を、 | |
「設計」とは、 | その者の責任において設計図書を作成することをいう。 | ||
7項 | 「構造設計」とは | 基礎伏図、構造計算書その他の建築物の構造に関する設計図書で国土交通省令で定めるもの (以下「構造設計図書」という。)の設計をいう。 | |
「設備設計」とは | 建築設備(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第三号に規定する建築設備をいう。以下同じ。)の各階平面図及び構造詳細図その他の建築設備に関する設計図書で国土交通省令で定めるもの(以下「設備設計図書」という。)の設計をいう。 | ||
8項 | 「工事監理」とは、 | その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているか いないかを確認することをいう。 |
建築士法(用語の定義)
第二条 用語の定義 | ||
十項 | 設計 | 建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第二条第五項に規定する設計をいう。 |
十一項 | 工事監理者 | 建築士法第二条第六項に規定する工事監理をする者をいう。 |
十二項 | 設計図書 | 建築物、その敷地又は第八十八条第一項、第二項若しくは第四項に規定する工作物に関する工事用の図面 (現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。 |
十三項 | 建築 | 建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。 |
設計・監理
設計とは?工事監理とは?用語の定義を知っておこう「設計」というと“建築物のデザインを行うこと”というイメージを持つ人が多いかもしれません。もちろんこれが完全に間違いというわけではないですし、デザインをすることも設計者の重要な業務の一つです。しかし、設計といった場合、まずは“施工に必要な図面を書くこと”と思った方がまだ正確といえます。また、「監理」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは一体何を行うことなのでしょうか。実はこの「設計」や「監理」については法律でもきっちりと定義されていますので、一応知っておくとよいかもしれません。以下は法的な定義です。
工事監理
その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること。簡潔に言えば、設計とは「建築工事を行うのに必要な図面一式を作成すること」となります。ですから、建築のデザインは、正式には図面を作成する過程で行うものであり、何よりも「設計図書」を完成させることがまずは重要なわけです。また、工事監理とは「工事の進捗状況に伴って、その状況を設計図書や仕様書と照合・確認し、工事を指導・監督すること」となります。つまり、完成した設計図書のとおりに間違いなく工事が進んでいるのかどうかを、建築主の代わりに監視するということなのです。大抵は設計を行った人が監理を行うのですが、別の人が行う第三者監理ということもあります。これら「設計」と「監理」は建築生産の上で非常に重要な役割であり、欠陥住宅の原因が実は設計や監理の問題であった、ということはよくある話なのです。欠陥住宅を防ぐには工事だけを注意していれば大丈夫というわけではないということを認識しておいてください。設計図書とは?仕様書とは?各図面の意味や理解の方法
良い建築士とは
良い建築士とは | ||
コスト管理能力 | 優秀な建築士とはどのようなものなのでしょうか? | 実はこのような建築士が一番建築主の夢を考えてくれている。 |
良い建築士の見分け方(コスト管理能力)最近では設計や施工の仕事が減ってきているせいか、 何でも“出来ます” “やります”と言う業者が増えているようです。 このような業者ばかりと話していると、安さだけが建築士を選ぶ基準になっているような、錯覚を覚えてしまうのは仕方のないことなのでしょうか? しかし、良い建築士を見分ける方法は報酬の価格合戦だけではないのです。 | まず、建築主の選択を否定しない。 その選択が優れている点を説明できる。 後々の使い勝手を考えて、より大きな観点から問題点を指摘できる。 それにより発生する不具合をすぐに見つけることができる。 常に金額のことを頭に入れている。 また、それを気にいった具体的理由を聞き出すことで、コストアップせずに同じことができないかと考える意欲がある。 | たとえその場で具体的なコストアップの金額か分からなくても、このような建築士であれば次回までに必ず金額を調べて、同様の提案を行うはず。 建築主が忘れている、又は気づいていない問題点を指摘できる。 また、設計業務を通して全体像をしっかり把握できている。 何度も言いますが、これはあくまで一例に過ぎません。 ただ、全体を通してみると、良い建築士の条件が見えてきたのではないでしょうか。 |
具体例
具体例 良い建築士とは 私見です。‼ | |
建築士と施主の会話 | |
良い建築士とは 具体例 | |
簡単な例で、建築主が以下のような要望を伝えたときの返答を見てみましょう。 それぞれの主観があると思いますが、これは、ある施主の体験コメントと印象です。 | |
「建築主からの要望」 「キッチンは床の仕上げをこの雑誌に載っているようなタイル貼にして、 キッチンそのものは外国製の○○社の対面型カウンター形式のキッチンを設置してほしいのですが。」 | |
「建築士Aの返答」 | 「建築士Bの返答」 |
分かりました。そのように設計を変更しておきましょう。 このような返答を繰り返していたら、後で見積もりを取ったときに金額が大幅にオーバーしてしまうのは目に見えています。 そのときになって慌ててコストカットを行い、図面上でどんどん製品のランクを落とされ、不要な部分が切り落とされていく様は見るに耐えないものでしょう。夢にまで見た理想のキッチン像は跡形もなく消されてしまいます。「こんなことならもっと早くから言ってくれれば余計な夢を見ずにすんだのに。」と後悔するのは大変悲しいものです。実は困ることはこれだけではないのです。慌ててコストカットを行うときには、だいたい着工間際でスケジュールも切羽詰ってきているケースが多く、大急ぎで設計を変更するあまり建築主が全体像をしっかり把握しないうちに施工がスタートしてしまい、完成後になってこんなはずじゃなかったということになるケース。 それから、この段階になると設計も終盤です。自分はどうしてこんな設計者に設計を依頼したのだろうかといくら悔やんでも後の祭り。たとえ自分の希望とはまるで違う設計になっていても、このどうしようもない設計者に対して報酬を支払わなくてはならなくなるケース。このような事態だけは本当に避けたいものです。 では、優秀な設計者とはどのような返答を行うのでしょうか? | 分かりました。このようなキッチンは最近多く取り入れられている形態です。 子供さんがおられる家庭ではコミュニケーションをとりやすいとのことで大変好評のようですね。 私もとても好きなデザインです。但し、これを行うには、今の設計ではリビングが狭すぎます。 対面カウンター式にするとリビングの面積がかなり圧迫されてしまいますがそれでもよろしいでしょうか? それから、このメーカーだとかなり価格が高いので、ざっと○○万円くらいの増額になります。 大変失礼ですが、これを特に気に入られた理由をお聞かせいただけましたら、それと同等の製品を探して参ります。 また、さらに申しますと、先日キッチンに床暖房を入れてほしいとの要望がございましたが、 このタイルが果たして床暖房に対応しているかを確認する必要があります。 このように、優秀な建築士とそうでない建築士とでは返答の仕方が異なってきます。 |
良い建築士の条件とは
良い建築士の条件とは、何事に対しても、建築主の話をしっかりと聞き、メリットとデメリットをしっかりと提示できること。常に金額のことが頭の片隅にあること。お互いの話し合いを通じて、建築主の夢をかなえるためにがんばって汗をかくことが出来ること。以上の条件を揃えているために、無理なものは無理とはっきりと自信をもって言えること。ということになるのです。
図面の意味と理解
図面・設計図書
設計とは「設計図面を作成すること」でした。では、「設計図書」とは一体何を指すのでしょうか?果たして図面だけなのでしょうか?結論から言いますと、設計図書は以下のような分類になります。
一番上にある設計図とは、その名の通り図面のことです(詳しくは後半で述べます)。設計図書には図面以外に仕様書と現場説明書、質問回答書が含まれます。これらが一体どういったものであるのかを順番に説明していきましょう。
仕様書
設計とは「設計図書を作成すること」でした。では、「設計図書」とは一体何を指すのでしょうか?果たして図面だけなのでしょうか?結論から言いますと、設計図書は以下のような分類になります。
特記仕様書
特記仕様書は標準仕様書に記載されていない、「その物件だけの特別な」仕様書です。本来であれば図面に全ての情報を盛り込む必要があるのですが、どうしても図面に書き表せないような情報などについて、特記仕様書という形で文書化するわけです。ですから、全ての内容について記載されているわけではなく、例えばその住宅のコンクリートの検査方法が共通仕様書と異なる場合にはコンクリートにおける検査方法について特記仕様書が記載されることになります。
現場説明書や質問回答書
現場説明書や質問回答書は 設計図と仕様書を受け取った施工者がそれでもまだ不明な点について、設計者に質問し、設計者がそれらに関して現場で説明した内容が記載されたものになります。
図面順位
施工者にとっては、設計図書における優先順位は、“質問回答書→現場説明書→特記仕様書→設計図→共通仕様書“ということになります。
設計図における各図面の意味や理解の方法では、設計図書の中でも主要な位置にある設計図(いわゆる図面)について見てみましょう。
注文住宅などで、設計者に設計を依頼した場合、相手が作成して持ってくる図面がきちんと揃っているかどうかを必ず確認してください。必要な図面は建築物の構造や規模、設備グレードなどによって異なってきますが、どのような建築物であれ必要な図面というものがあります。構造図や設備図についてはかなり専門性が高くなりますので、その意味や内容を詳しく知る必要はありませんが、「サボらずきちんと作成されているのかどうか」くらいはしっかりと確認してください。
設計の初期段階、つまり基本設計段階での打ち合わせでは、敷地求積図、配置図、平面図、立面図、断面図などが用意されるはずです。また、場合によってはイメージを掴んでもらおうと透視図を用意されるかもしれません。
残りの図面については基本的な設計内容が確定し、実施設計段階に移行してから作成されるものであると思ってください。以下、全般的に必要とされる図面であり、見方を知っておいたほうがよい図面について、個別に見ていきましょう。まずは基本設計段階で用意される以下の図面です。
各図面の意味と理解
各図面の意味 | |
(1) 敷地求積図 | この図面が作成される目的は、敷地の面積を求めることです。従って、基本的に建築物については何も描かれないというのが一般的です。建築基準法における建蔽率や容積率は、ここで算出された敷地面積を基に計算されます。(設計者が算出し、行政も図面における面積の数値を確認する)ので、大変重要な図面ということになります。敷地求積図の例と見方 Jww形式図面(詳しい操作はこちらへ) |
(2) 敷地求積図 | この図面が作成される目的は、敷地の面積を求めることです。従って、基本的に建築物については何も描かれないというのが一般的です。建築基準法における建蔽率や容積率は、ここで算出された敷地面積を基に計算されます。(設計者が算出し、行政も図面における面積の数値を確認する)ので、大変重要な図面ということになります。敷地求積図の例と見方 Jww形式図面(詳しい操作はこちらへ) |
(3) 配置図 | 配置図は、敷地に対する建築物の位置関係を表す図面です。敷地と建築物の外壁との距離はいくらであるのか、敷地の面積に対して建築物がどれくらいの割合で建っているのか(建蔽率)等の情報の根拠となります。また、下水処理など、周辺環境との関係を入れ込むこともあります。なお、1階平面図と配置図を兼ねることがありますので注意してください。 |
(4) 平面図 | 建築物の平面的な切面を上部から見た図面です。マンションの広告に掲載されている間取り図をイメージされると良いかもしれません。ここで確認すべきことは、大まかな間取りと部屋の大きさです。但し、やはり平面図も立派な図面ですので、寸法等、かなりきっちりとした情報が盛り込まれることになります。しっかりとした図面になっているかどうかを確認しましょう。 |
(5) 立面図 | 建築物の立面的形態を表した図面です。平面図は部屋の広さや間取り、部屋と部屋との間の関係を表すのに対し、立面図は建築物の見た目に大きな比重が置かれています。実際に完成した建築物は立体的に見られるので、立面図がいわば建築物の外観を表したものであると言えます。この図面では、立体的なイメージと共に、窓やドアといった開口部の大きさ等に関して、平面図と並べて検討するようにしてください。 |
(6) 断面図 | 建築物の縦方向の切断図です。平面図が建築物を上から見て切断した断面図だとすれば、断面図は建築物を横から見て切断した断面図ということになります。この図面が必要な理由は、平面図で表すことができない“高さ方向の”情報を表すことにあります。つまり、各階の階高(ある階の床からすぐ上の階の床までの高さ)や天井高(ある部屋の床からその部屋の天井までの高さ)といった情報を記入するためのものです。また、建築物自体の高さを表すことで、建築基準法の規制に関して検討するといった役割もあります。こちらも立面図と同様、平面図と並べて検討するようにしましょう。 |
(7) 透視図 及び (その他の表現手法) | 一言で言えば、建築物の完成イメージです。立面図や断面図ではどうしても3次元の立体的な雰囲気や奥行き感が伝わらないものです。そこで透視図を用いて、建築物の立体的なイメージや陰影などを表現し、今の設計内容の完成イメージを伝えることが可能となります。厳密に言えば、透視図は建築物の完成という目的のためには必要のないものですが、建築主と設計者の間で完成後のイメージを共有しておくことは、完成後のイメージ違いといった後々のトラブル回避につながります。最近ではパソコンの普及によって、透視図をCG(コンピューター・グラフィックス)で作成する設計者も増えてきました。一昔前の手書きの透視図よりも大変リアルなものもあり、中には写真と見間違うほどの出来のものも存在します。また、CGを用いて平面図や断面図を立体的に表現してみるなど、デザインにこだわる設計者の中にはこの部分に力を注ぐ人も多いようです。ここで知っておいてほしいことは、これらを見ながら完成後のイメージやデザインなどについて設計者と検討する、ということだけではありません。実はこれらを作成するには大変な時間と労力がかかっているのです。 透視図の作成に対する過度な要求は、設計者にとってかなりの負担になってしまうということだけは知っておいてください。 |
(8) 詳細図 (平面詳細図、 断面詳細図)、 階段等部分詳細図 | 基本設計で描かれた平面図や断面図を、より詳細に描き表したものです。例えば、基本設計段階であればダブルライン(二重線)で表されていただけだった壁も、平面詳細図になると具体的な壁の厚みや断熱材が記入されるようになります。また、階段部分など、特別に詳細な図面が必要とされる部分については、部分詳細図が作成されることになります。但し、これらは主に施工者向けの図面であり、「ここまで描いたのだからこの図面を見れば工事ができる」というレベルが求められます。従って、しっかりとこの図面を作成しているのかどうかを確認することのほうが重要です。 |
(9) 展開図、天井伏図 | サイコロの展開図のように、各部屋の壁を並べて描いたものが展開図、各部屋の天井を描いたものが天井伏図です。これらは開口部やスイッチの高さ関係、天井のエアコン位置などを表すために作成されます。念のために各部屋の展開図や天井伏図を確認し、打ち合わせと相違がないかを確認しましょう。 |
(10) 建具表 | 建具表は、どの種類の建具がどこに使われているのかを表した一覧表です。施工用のものですが、実際に打ち合わせで確認した製品や形状と異なっていないかだけは確認しておくことをお勧めします。 |
(11)仕上げ表 |
実施設計図面
これら実施設計段階に作成される図面は、素人が見てもよくわからないものばかりです。これは基本設計で作成される図面が建築主や行政を対象に描かれているのに対し、実施設計で作成される図面が施工者を対象として描かれているので、むしろ当然のことと言えるでしょう。しかし、分からないからといって全く見ないということをせず、打ち合わせと異なった部分がないかをしっかりと確認し、不明な点があれば遠慮なく設計者に説明を求めることが非常に重要です。
しっかりとした設計者ならば、ここでしっかりと説明してくれるはずです。また、この段階で作成される図面はそのまま施工で用いられることになります。間違ったままであってもその通りに施工されてしまいますので、後で取り返しのつかない状況にならないように、できるだけ早い段階で確認するようにしましょう。
予算の確認
さらにもう一点。ここで気をつけることは、金額についてです。この時期は、金額に関する重要な時期となる可能性が非常に高いのです。混乱しないようにしっかりと状況を把握するようにしてください。
誰に頼むか
当然のことながら家作りは一般的に家族だけでするものではありません。家をもつためには、そのお手伝いをするパートナーが必要となります。そのパートナーの候補は宅地開発業者・住宅メーカー・工務店・設計事務所になります。「建築家ってきむずかしそうだな。」「信頼のおける工務店がわからないなぁ。」といった理由だけで頼む相手を選んでないでしょうか?現在はインターネットやメディアの普及により膨大な量の情報を得ることができます。しかし、その中から必要な情報だけを取捨選択するのはとても困難な作業です。それぞれの特徴を良くつかみ、もっとも相性のあうパートナーを見つけ、自分の希望を満たすことのできる選択をしたいものです。
一般的に頼む手段
(1) | 宅地開発業者から建売住宅を購入する |
(2) | 宅地開発業者から売建住宅(建築条件付き土地)を購入する |
(3) | 住宅メーカーのプレハブ住宅を注文する |
(4) | 工務店に設計・施工を頼む |
(5) | 設計事務所に設計を頼む |
以下これらの形態の特徴を説明します。但し、これは、製作者の主観です。 |
住宅形態の特徴
(1)建売住宅
完成した建物と土地がセットで売られるのが建売住宅です。建物にこだわりがなく、早く安く家を手に入れたい人にお勧めです。宅地開発業者があらかじめ用意した土地を細かく分割して、建物を建て分譲する住宅です。 | |
時間 | 物件自体がすでに完成しているので、早く手に入ることができます。 |
コスト | 同じような建物を多数造るため、建材や設計のコストは最小限に抑えられています。あらかじめ建ててから販売するという性格上、売れ残りが出ると赤字になってしまうので、一戸あたりの価格は比較的安く設定されています。 |
性能 | 関係のある工務店に安く建ててもらうことが多く、シックハウス等の原因となる新建材が多用される傾向があります。悪い業者の場合は、見映えだけを重視し、基礎や構造など目に見えないところで手を抜くので、建物の質や価値に問題を抱えることになります。土地を売って利益をあげることが優先され、建物はおざなりに済ませることもあるようです。また、土地自体も畑や工場跡地などの場合も多いので、地盤や災害、環境などに問題がないか注意する必要があります。 |
デザイン | あまりお金のかかっていない、同じような家が立ち並んでしまうことが一般的です。建売分譲は京都の石塀小路のようないい街並形成も可能だと思うのですが、残念ながらあまりそのような意識を持って作られているところは少ないようです。工事にお金がかかって売れにくくなるリスクを避けたいのでしょうが、成城や国立などのように大きな木を配置して街並から上手く作れれば、それぞれの建物自体にそれほどお金を掛けなくてもいい雰囲気は出せるでしょうし、結果的に付加価値も付くと思うのですが・・・イメージができるまでに時間がかかって、不経済なのでしょうか。建売住宅を買う場合は、本当にその建物で豊かな人生がおくれるのかを考え、業者の言うことを鵜呑みにせず、問題がないか自分でいろいろ調べることをお勧めします。もちろん、構造や耐久性、デザインに気を遣った良心的な業者もいますので、自分で調べたうえで納得できる物件ならお買得かもしれません。 |
(2)売建住宅(建築条件付き土地)
土地を買う際に、どの建築業者がその土地に家を建てるのか、あらかじめ指定されています。普通の建物でもいいけれど、建物が造られる過程を確認したいという人にお勧めします。 | |
時間 | 土地を買ったあとに家を建てるので、建売住宅に比べて時間がかかります。 |
コスト | 建物自体の価格はそれほど安くないかもしれません。 |
性能 | 建売住宅よりは建てている間のチェックがしやすいので、問題が生じることは少ないと思われますが、業者の良し悪しに左右されるところが大きいでしょう。 |
デザイン | 多少の間取りや仕様の変更は可能かもしれませんが、細かな点や工法を自由に指定するのは難しいことが多く、比較的建売住宅に近いものと考えていいでしょう。どのような工務店がどのような工法でどの程度の仕事をするのか、しっかり調べることが大切です。良心的な業者が施工する場合は、お買得かもしれません。 |
(3)住宅メーカーのプレハブ住宅
住宅展示場でよく目にする、主に工場で造られる住宅です。建物の細かな点にこだわりがなく、平均的な家や有名なメーカーが造る家に住みたい人にお勧めします。 | |
時間 | 既製品と決められた工法の組み合せで作られるので、手間はかからず、比較的早く完成します。 |
コスト | 基本的なプランは比較的安価ですが、オプションをいろいろとつけていくとかなり高くなるようです。 部品に規格の寸法がある場合が多いので、建坪率ギリギリに合わせて建てるのは難しく、また、狭小地や変型した土地などには建てられない場合もあります。 同じように、ちょっとした工事内容の変更も、規格から外れてしまうと、特注扱いとなり、急に価格が高くなることも多いようです。 事前にメーカーに見積明細書を出してもらうと、どんな材料でどんな工事をいくらでしているのかなどもチェックしやすく、不明瞭な追加金を請求された時にも対処しやすいと思います。 それと、モデルハウスは客の目をひくための特注品であることが多く、実際にモデルハウス通りの家を建てるとなると、非常に高価になる場合が多いので、事前に価格の確認したほうがいいでしょう。 |
性能 | 建材に関しては、メーカーの工場生産品のため、寸法安定性が高く比較的安心と思われます。ただし、実際の施工にあたる下請けの工務店が、問題のある施工を行うこともあるので、その辺りは注意が必要です。 |
デザイン | 不特定多数に販売することを前提に設計されているため、その時々に合った最大公約数的なデザインが採用されます。人それぞれの生活スタイルや土地柄などを考慮して一つ一つ造った建物ではないため、風景が画一的で趣のないものになってしまいがちです。自分の希望とうまく合うようでしたら、コストはそれなりにかかると思いますが、ハズレの少ない建物だといえるでしょう。 |
(4)工務店の設計・施工
工務店に設計と施工を直接依頼して、家を建ててもらうケースです。建物は普通でいいけれど、間取りなどはこだわりたい人にお勧めします。 | |
時間 | 何もないところから話をはじめるので、時間はそれなりにかかることになります。 |
コスト | 悪徳業者から一流の工務店やスーパーゼネコンまで、施工業者により様々です。人がいいからとか近所だからといって安心せず、自分でいろいろ調べましょう。また、あまり大きな工務店になると、別の小さな工務店に投げてしてしまい、経費が余計にかかってしまうこともあるので、注意が必要です。その場合は、実際に施工する工務店を狙って頼むとコスト的には安く上がるでしょう。 |
性能 | 志の高い良心的な工務店でしたら、その土地ならではの気候風土を考えて建物を造ると思いますので、比較的安心だと思います。また、地元密着型であるケースが多いので、ご近所付き合い感覚でメンテナンスをお願いしやすいかと思います。大工さんの感覚だけで昔からのやり方を貫くところは、細かい納まりが適当になってしまったり、耐震性が十分にとれていなかったりする場合もありますので、威勢がいいからといって安心はしないで、きちんと確認することが大切です。 |
デザイン | 工務店は設計をメインにしている会社ではありませんが、適切な工事をする良心的な工務店でしたら、住宅メーカーよりもいろいろ細かい要望に対応してくれるでしょう。いい工務店と巡り合えて、そこが設計施工した建物が気に入るものであれば、工務店に直接頼むのもいいと思います。 |
(5)設計事務所の注文住宅
設計を主な仕事にしている事務所に設計を依頼し、施工は設計事務所とは別の適した工務店に依頼します。デザインや間取り、住まい方など、細部にわたって建物にこだわりたい人にお勧めします。自分の好みや理想に近い設計の商店などを探して、話を聞いてみたり、評判を探ったりして、設計事務所を選ぶ参考にするといいかもしれません。 | |
時間 | 希望を聞いてから設計をはじめることが多いですし、キッチンや浴室などもオーダーメイドで造ることが多いので、一般的にはハウスメーカーの住宅より時間がかかります。 |
コスト | 設計事務所の場合は設計・監理料が工事費とは別にかかってしまいますが、工事の見積内容を設計者がチェックしてコスト管理をすることで、同じコストでもメーカーや工務店よりもいいものができる可能性は大いにあります。ただ、設計者によっては設計料が高く、細かな変更でいちいち設計料を請求するところもあり、デザインのための建設コストが大幅にかかってしまう場合があります。 |
性能 | 設計者の方針や設計能力、施工を依頼する工務店の能力により大きく異なります。完成時にいくら見映えが良くても、耐久性や断熱性に乏しく住むのに過酷な建物であったり、光熱費やメンテナンス費用がかかりすぎてしまったり、間取り的に使いづらかったりすることもありますので、設計者の考え方が大きく関係してきます。 |
デザイン | 設計の大きな要素の一つであるデザインを売りにしている設計事務所も多く、デザイン力は一般的に高いといえます。また、クライアントの生活スタイルや要望、街並や環境に合わせ、設計者の思想によって一つ一つ設計していくので、特徴のある建物になりやすい傾向があります。事務所によって個性が大きく異なるので、自分と感覚的に合うデザインをする事務所を選ぶことをお勧めします。センスが非常に悪かったり、話が全然噛み合わなかったり、施主の意見をあまり聞かなかったり、細かい説明もせずにどんどん作業を進めてしまうところもあるので、その建築士や事務所の作品のデザインが納得できる物なのか、耐久性や耐候性があるのか、コストは適性かなどを事前によく調べることが大切です。もちろん、その設計者や作品に惚れ込んだので、いちいち細かいことは言わないから信頼して任せるというやり方もあるでしょうが、その場合は、あとから不満を言わないことが前提です。施主・設計者・施工者がそれぞれ意見を出し合って家を作るので、いい事務所と組めばとてもバランスのとれた建物が出来ると思いますが、悪い事務所に頼んでしまうと悲惨な結果になりかねません。有名だからとか、人の紹介だからなどといって安易に決めず、慎重に設計事務所を選びましょう。いい設計事務所や工務店と組んで建物を建てることができれば、家づくりも楽しいですし、とてもいい家ができると思います。 |
見積書の謎
見積りとは
建設業における見積りに関するルールを確認しておこう 建設会社が工事を受注する際には、事前に工事に必要なおおよその費用を算出し、発注者に向けて見積りを出します。この見積りについては、建設業法で基本的なルールが定められています。見積りは、発注者が業者を比較するうえで貴重な情報源であり、その後の信頼関係構築のためにも必要なものです。今回は、国土交通省の『発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン(第2版)』をもとに、見積りに関するルールを確認していきましょう。 |
建設業法第20条(建設工事の見積り等)第1項:建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際して、工事内容に応じ、工事の種別ごとの材料費、労務費その他の経費の内訳並びに工事の工程ごとの作業及びその準備に必要な日数を明らかにして、建設工事の見積りを行うよう努めなければならない。 第2項では、建設業者は、建設工事の注文者から請求があったときは、請負契約が成立するまでの間に、建設工事の見積書を交付しなければならない。 第3項では、建設工事の発注者が見積りを依頼する際には、法第19条第1項の各号に掲げる事項について、できる限り工事の具体的な内容を提示しなければならないとしています。 (ただし、第2号『請負代金の額』は除く)。これらの事項はつまり、実際に契約を交わす際に契約書に記載すべき事項であると解釈できます。 |
「工事内容」について
建法第19条第1項の各号に掲げる事項について、できる限り工事の具体的な内容を提示しなければならないとしています。発注者は以下の項目を最低限提示する必要があり、もし具体的内容が確定していない事項があれば、そのことも明示しなければなりません。
提示内容
提示内容 |
●工事名称 |
●施工場所 |
●設計図書(数量等を含む) |
●工事の責任施工範囲 |
●工事の全体工程 |
●見積条件 |
●施工環境、 |
建設業法第19条第1項
施工制約に関する事項また、建設業法第19条第1項第3号以降には以下のような事項があります。
●工事着手の時期および工事完成の時期 |
●工事を施工しない日または時間帯の定めをするときは、その内容 |
●請負代金の全部または一部の前金払いまたは出来形部分に対する支払いの定めをするときは、その支払いの時期および方法 |
●工事着手の延期・中止等があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更または損害の負担およびそれらの額の算定方法に関する定め |
●工事完成後における請負代金の支払いの時期および方法など |
見積りに必要な期間
見積りに必要な期間を確保することは法的義務正確な見積りを出すには、歩掛の計算や資材費の調査など、多くの手間がかかります。特に、大型工事の受発注における見積書などは、到底、その場ですぐ作れるようなものではありません。そこで、前述の法第20条第3項では、発注者に対して、当該建設工事の見積りをするために必要な一定の期間を設けることを義務づけています。その期間は、1件当たりの工事予定額によって以下のように定められています。
●工事予定額が500万円未満:1日以上 |
●工事予定額が500万円以上5,000万円未満:10日以上 |
●工事予定額が5,000万円以上:15日以上 |
見積と予算
実施設計で作成される図面は、基本設計で作成される図面よりも詳細なものです。(詳しくは図面の意味と理解を参照)。従って、実施設計が終わると、基本設計以上に精度の高い数値が得られるのです。つまり、この段階にきて初めてしっかりとした金額が算出できるということ。そこで問題となるのは、基本設計段階で概算していた見積りの金額を大幅にオーバーしてしまうことなのです。これは決して稀なケースではなく、むしろ日常茶飯事です。
予算オーバーはなぜ起こる
一体なぜこのような現象が起こるのでしょうか? 答えは単純です。“基本設計段階で正確な金額を算出することは非常に困難“だからです。壁一つとっても、基本設計段階では「壁」ですが、実施設計を終えると、下地、断熱材、仕上げの単価や数量を含んだ壁になります。それら詳細な部材のグレードによって細かく価格は変動します。このようなことが積もり積もって、たとえ10%の増額でも、総額2500万円の家であれば全体で250万円の増額になってしまうわけです。このようなコスト増加をあらかじめ見込んで、基本設計からコスト管理を徹底し、実施設計を終えるまで大幅な増額なしに設計業務を行える設計者は、大変優秀な設計者であるといえるでしょう。ただ、残念なことにこのような設計者は非常に少数です。各部分の金額をしっかりと把握し、増額があればその旨を建築主にしっかりと伝えながら、コストダウンを計ってうまく金額と設計内容の折り合いをつけていく・・・。これは本当に至難の業なのです。建築主が実施設計段階になってからグレードや製品の変更を言い出したりすると、簡単に増額になってしまいますから、“ある程度設計が進んだら変更は許さない“というルールを設けることも重要です。では一体どのようなことに注意すればよいのでしょうか?情報収集の大切さ、打合せの記録、スタートから、建築、建物の完成までの記録を、明確に残しておくこと。建築の“BMI化“作業内容や打合せ等が全てが、データー化され、共有することが出来ます。
コストアップを防ぐ
優秀な設計者に賢い建築主が協力を!コストアップを防ぐ方法 設計者がいくら有能であっても、コスト管理を完璧なものにするのは極めて難しいものです。建築主の気軽な設計変更が、ときには大幅なコストアップにつながることもあるからです。ですから、後々のコストアップを防ぐためには建築主の協力がある程度必要になるのです。具体的な注意点を設計者と建築主に分けて挙げてみたいと思います。
設計者
工法や材料、製品のグレードなどに対してしっかりとした金額を把握しておくこと。できる限りのVE提案を行う。無理なものは無理だとはっきり伝える。設計変更の期日を設定する。
建築主
具体的な要望については、できる限り早い段階(可能であれば基本設計段階)で設計者に伝え、それがどれくらいのコストアップにつながり、予算内で行うことが可能なのか不可能なのかを判断してもらう。間取りやデザインの大幅な変更はいつまで、製品の変更はいつまで、などのように、各部分に対して変更可能期日を設定し、それ以降は設計変更を言わない。自分がやりたいことをできる限り自分で調べてみる。コスト管理を設計者に任せきりにしないよう、自分も努力する。意外と単純だったのではないでしょうか?実際はこのようなことができないばかりにどんどん無茶な設計になっていき、実施設計を終えて見積もりを取ってみたら到底できる金額ではなかった・・・ということになるのです。最近では設計や施工の仕事が減ってきているせいか、何でも“出来ます”“やります”と言う業者が増えているようです。このような言葉に惑わされないようにしてください。要は「無茶を言い過ぎると後で結局無理になる」ということをしっかりと頭の中に入れておくことが重要なのです。しっかりとした建築士を見つけたら、建築主自身も上記のような点に注意しておけば、それほど大きな問題は起こらないはずです。
地鎮祭
地鎮祭とは建物の新築や土木工事の着工時に行う日本古来の儀式です。その土地を守る神様に挨拶し、工事の無事と守護を祈願します。
歴史と意義
一般的に「ぢちんさい」といっていますが、正しくは、「とこしずめのまつり」と訓みます。地鎮祭の起源は古く持統天皇の御代にはすでにこの祭の記録があり、古代より土木・建築等に伴う重要な祭りとして行われてきました。地鎮祭は、建築を着工するにあたって、その土地の守護神に無事完成を祈願する大切な祭りです。地鎮祭は建築における最初の最も意義深い重要なお祭りです。工事の着工に合せて行う場合は起工式として行うこともあります。
地鎮祭式次第
正式に行う場合の一般的なものを紹介します。地域の習慣により、多少違いがあります。
1 | 手水の儀 | 入口に用意された手水桶(ちょうずおけ)から柄杓で水を注ぎ、手を洗い、 口をすすぎ、白紙で手をふきます。 |
2 | 神前拝礼 | 神前に向かい斎主に合わせ一拝。 |
3 | 修祓 | 参列者を祓い清めます。祓戸四柱の神様に祓いの為の祝詞を奏上し、祓いを受けます。 |
4 | 降神之儀 | 神様に神籬にご降臨して頂く為の祝詞を、斎主が奏上します。神さまを神籬にお招きします。 |
4 | 献饌 | 神様にご神饌を差し上げます。お供え物で饗応の真心をお伝えします。神さまのお食事となる神饌(しんせん)をお供えします。 |
6 | 祝詞奏上 | 神さまにお祈りの言葉を申し上げます。神様の御神威を頂き、本日のご祈願を神様にお伝えし、お願い致します。 |
7 | 散供(さんく) | 永久に災禍がないように、土地の神さまへのお供え物として米などを打ちまきます。 |
8 | 四方祓(しほうばらえ) | 敷地の四方を鬼門(きもん)から祓い清めます。 |
9 | 鍬入れの儀苅初(かりぞめ)の儀(忌鎌) | 設計者が鎌入れを行います。 |
10 | 穿初の儀(うがちぞめのぎ) (忌鍬) | 建主が鍬入れを行います。 |
11 | 地鎮(とこしずめ)の儀 | 神様に鎮物を捧げ奉り、災禍を鎮めます。土地の神さまへのお供物を「鎮物(しずめもの)」として埋納する。 敷地に鎮物を埋納 又は 施工業者へ託し埋め戻しの際、埋納してもらいます。 施工業者へ預け後に埋納してもらうのが一般的です。 |
12 | 地曳の儀(じびきのぎ)(忌鋤) | 施工者が鋤入れを行います。 |
13 | 玉串奉奠 | 改めて神様に玉串を奉って拝礼し、ご祈願します。神職および参列者一同が玉串(たまぐし)をお供えして拝礼します。 玉串は、榊の枝に紙垂を結んだもので、神さまの御霊(みたま)と参拝者の魂を結ぶものとされています。 |
14 | 撤饌 | 神様に差し上げたご神饌をおさげ致します。 |
15 | 昇神之儀 | 神様に元津宮へお帰り頂く為の祝詞を、斎主が微音にて岩笛を奏上致します。 お招きした神さまたちをお送りして祭儀は終了します。 |
16 | 神酒拝載 | 神様にお供えしたお神酒のおすそ分けを頂きます(神人共食)。 |
17 | 神職退下 | 儀式終了。神職が神域から退下される。 |
18 | 直会(なおらい) | 神さまへのお供え物を神職と参列者一同でいただく会が行われます。 儀式が終ったあと、建主、設計者施工者がいっしょにご近所に挨拶して回ります。 その際、建主は菓子折りなど、施工者は手拭いなどを配ることが多いです。 |
一般的なお供え物
一般的にはお供え物は施主が用意するはずのものですが、施工業者や神主さんがやってくれることもあるので、事前に相談しておいてください。また、竹、注連縄、鎌や鍬など儀式に使用する備品も誰が準備するかを確認し、もし自分が準備しなければいけないのならば、神主さんの指示に従い、物品を調達してください。
米(約3合) | 神酒(1升) | 塩(約500g) | 魚(鯛、するめ、昆布など) |
野菜(大根、人参など) | 果物(りんごなど、季節の果物) | 図面など |
地鎮祭にかかる費用
あくまでも目安です。最近は、祭り事を行う方も、減少してきました。人生の、一大事業です、様々な人と慶びを分かち合いたいものですね。
神官へのお礼(初穂料) | 3万円くらい。 |
御神酒、米、塩、山の幸、海の幸などの神饌物 | 2万円くらい。 |
工事関係者の代表者数人に渡すご祝儀等を合計すると、総額10万円程度です。 | |
今はどの様に成っているか?神社の神主さん、業者さんに尋ねましょう。 |
上棟式
上棟式とは、家屋の守護神と大工の神を祀って、棟上げを無事に終えられたことに感謝するとともに、最後まで工事の安全を祈る儀式で、棟上げ式とも呼ばれます。神恩に感謝すると同時に、施主は建築現場の関係者に料理やお酒をふるまったり、手土産やご祝儀を渡したりするなどして、労いの気持ちを表します。棟上げは家の建築の中でも大事な日です。
略式な上棟式の式次第流れ
1 | 棟梁 | 棟木の上に飾り物を上げる |
2 | 祭壇に、御幣や神饌物を飾る | |
3 | 施主と棟梁 | 家の四隅の柱の部分に、酒や塩、お米などをまいてお清め |
4 | 棟梁と全員 | 工事が無事進むよう祈願し、二礼拍手一礼する |
5 | 施主 | 施主が挨拶をしてから乾杯 |
6 | 棟梁 | 棟梁や関係者の挨拶 |
7 | 施主 | 場合によっては、餅や銭、お菓子などをまく |
8 | 棟梁と全員 | 手締めを行う |
9 | 施主 | 施主から棟梁や作業してくれた人にご祝儀や引き出物を配る |
地域や風習などによっても内容は変わりますが、このような流れだと思ってください。 | ||
これは、略式です。本来は、地鎮祭のように、神主さんに依頼して下さい。 |
準備しておくこと
1 | 事前に人数を把握 | 上棟式の人数。祝儀やお弁当、お酒、引き出物などを用意する。 |
工事でメインの大工 | 1〜2人、常時現場にて作業する人 | |
棟梁と上棟時の大工 | 10人前後 | |
レッカー運転手 | 1人、木材・部材を吊り揚げる | |
工務店やメーカー | 2〜3人、工務店や住宅メーカーの職員 | |
2 | 式に使用する道具の準備 | |
棟札・御幣 | 表には神様の名前を、裏側には上棟年月日や施主、設計士、施工業者の名前を墨で書きます。 | |
神酒・粗塩・洗米など | 神酒、粗塩、洗米などは、上棟式の際に家の四隅の部分にまいてお清めするためのものです。 | |
徳利・酒盃・紙コップ | 神主さんを呼んだ場合は、徳利、酒盃は斎主が準備してくれます。 | |
お供え物 | 魚(鯛、するめ、昆布など)野菜(大根、人参など)果物(りんごなど、季節の果物)。 | |
まくためのもの | お餅、お菓子、5円玉などまくためのものです。 | |
3 | 大工さんに振る舞うもの | 棟上げの日、休憩時間やお昼に食べたり飲んだりするもの |
飲み物・お菓子・お弁当 | 個別包装になっているもの | |
4 | 大工さんに手渡すもの | 上棟式の最後に、大工さんや作業に関わってくれた方々へ手渡すもの |
ご祝儀 | 棟梁:1〜4万円、大工さん:2000〜5000円、現場監督:5000円、クレーンの方:2000〜5000円 | |
引き出物 | ||
これは、あくまでも気持ちなので、無理をする必要はありません。最近では、ご祝儀をあげない家庭も多いようです。用意しなくても良いという場合もあります。 |
竣工式
竣工式とは、建物が無事完成したことを神に奉告すると共に感謝し、長く堅固であることを祈願する式です。一般住宅では、竣工式はほとんど行なわれません。特に決まりのようなものもありません。建築主の主催で感謝と慰労の意味をこめて、完成した家で行うこともあります。その場合の主席者は、設計監理者・施工会社担当者・職方などです。
竣工式次第
1 | 手水の儀 | 入口に用意された手水桶(ちょうずおけ)から柄杓で水を注ぎ、手を洗い、 口をすすぎ、白紙で手をふきます。 |
2 | 神前拝礼 | 神前に向かい斎主に合わせ一拝。 |
3 | 修祓 | 参列者を祓い清めます。祓戸四柱の神様に祓いの為の祝詞を奏上し、祓いを受けます。 |
4 | 降神之儀 | 神様に神籬にご降臨して頂く為の祝詞を、斎主が奏上します。神さまを神籬にお招きします。 |
5 | 献饌 | 神様にご神饌を差し上げます。お供え物で饗応の真心をお伝えします。神さまのお食事となる神饌(しんせん)をお供えします。 |
6 | 祝詞奏上 | 神さまにお祈りの言葉を申し上げます。神様の御神威を頂き、本日のご祈願を神様にお伝えし、お願い致します。 |
7 | 散供(さんく) | 永久に災禍がないように、土地の神さまへのお供え物として米などを打ちまきます。 |
8 | 四方祓(しほうばらえ) | 敷地の四方を鬼門(きもん)から祓い清めます。 |
9 | 玉串奉奠 | 改めて神様に玉串を奉って拝礼し、ご祈願します。神職および参列者一同が玉串(たまぐし)をお供えして拝礼します。玉串は、榊の枝に紙垂を結んだもので、神さまの御霊(みたま)と参拝者の魂を結ぶものとされています。 |
10 | 撤饌 | 神様に差し上げたご神饌をおさげ致します。 |
11 | 昇神之儀 | 神様に元津宮へお帰り頂く為の祝詞を、斎主が微音にて岩笛を奏上致します。お招きした神さまたちをお送りして祭儀は終了します。 |
12 | 神酒拝載 | 神様にお供えしたお神酒のおすそ分けを頂きます(神人共食)。 |
13 | 神職退下 | 儀式終了。神職が神域から退下される。 |
14 | 感謝状贈呈 | |
15 | 直会(なおらい) | 神さまへのお供え物を神職と参列者一同でいただく会が行われます。建主は工事関係者にご祝儀を渡し、労をねぎらいます。儀式が終ったあと、建主、設計者施工者がいっしょにご近所に挨拶して回ります。その際、建主は菓子折りなど、施工者は手拭いなどを配ることが多いです。 |
増改築工事
増改築工事の注意
増改築にあたっての注意点等をご紹介いたします。平成18年6月に法改正が施工され、昭和56年以前に建てられた建築物の増築・改築に関しては、当該建築物の安全性について、確認しなければならなくなりました。言い換えれば、昭和56年以前に建てられた建築物の増築・改築は困難で、新たに新築工事として、計画することの方が妥当であるということです。
増改築できるのか?
どのような場合に増改築できるのか?昭和56年以後に建てられた建築物で、完了検査済み書の交付を受けや建築物であることを前提として、現行建築基準方に適応させる計画であれば増改築することが出来ます。まとめると昭和56年以前に建てられた建築物の増築・改築は難しい。昭和56年以後に建てられた建築物で検査済み書のある建築物は増築・改築出来ます。ただし、構造計算等を現行建築基準法に適合するように行わなければならない。増改築することも色々条件があって難しくなって来ました。これからの時代、家を建てる人は、建築完了検査済み書を取って置かないと、将来、増改築工事も出来ない時代になりました。
注意しましょう!
上記のようなこと知らずに、確認申請も受けずに違反で増改築工事を行うと、工事が中止されることがありますよ!トラブル回避してください。しっかりとした工務店・設計事務所に相談してください。何も言わずに、説明もなしに、工事を進める工務店・設計事務所は要注意です。
フリーダイヤルでの、点検依頼
フリーダイヤルでの、点検依頼は、最低交通費はかかります。目安 8,000円 プラス 消費税10% 500円 合計8,800円 程度掛かります。
水周り設備機器と増改築
水周り機器の部品は、おおよそ7年で在庫生産がされなくなります。家を新築して7年も経てば、家族の状況も変化してきます。7年、14年、21年を目安に、家について考えることも、ひとつの目安になりませんか。水周り設備機器は生産開始から約7年で、生産中止になることが多いです。無料点検の時に、設備機器の状態について等の質問をしましょう。これは、無料だと思います。